"CITIZENFOUR"(『第四市民』2014年)エドワード・スノーデンの告発に密着

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 アメリカ国家安全保障局(NSA)が通信会社などの協力のもと、世界各地で大規模な盗聴と通信記録の収集を行なっていることを暴露したエドワード・スノーデン。彼が最初にコンタクトを取ったのがザ・ガーディアンの記者、グレン・グリーンワールド(Glenn Greenworld)とドキュメンタリー監督、ローラ・ポイトラス(Laura Poitras)だった。

 2013年5月、スノーデンが香港に逃亡した時点からポイトラスはグリーンワールドや、やはりガーディアンの記者であるイーウァン・マクアスキル(Ewen MacAskill)とともに密着取材を始め、その様子をカメラに収めた。したがって、場面の多くはスノーデンが滞在していたホテルの部屋で撮影されているが、その他にジュリアン・アサンジュやウィリアム・ビニィ(William Binney)も登場し、世界中が固唾を呑んで見守っていたホイッスルブロウアーの逃亡劇を詳細に伝える。

 マクアスキルの「なぜ内部告発に踏み切ったのか?」という質問に、スノーデンは次のように答えている。「つまるところ、人々が権力に対抗するための大切な能力に対抗する国家の権力なんだ。そして僕は報酬をもらいながら、毎日椅子にすわって、その権力を増幅させる方法をデザインしている」。そして、NSAで経験した「殺人ドローンによる攻撃をデスクトップ・コンピュータで文脈なく眺める」、という行為に対する嫌悪感や、英国政府通信本部(GCHQ)が世界中に侵犯的な通信網をめぐらしている、ということについても語る。

 最初のインタビューの後、しばらくは所在が不明になるが、その後、一時的な政治亡命先となったロシアで録画は再開される。その間、グリーンワールドのパートナーがヒースロー空港で拘束されるなど、取材陣のまわりには圧力ともいやがらせとも取れる動きが展開されていた。だが、ガーディアンのスクープから始まった報道の波紋は大きく広がり、ドイツのメルケル首相に対する電話盗聴事件も暴露されることになる。

 後半に登場するフリージャーナリストでハッカーでもあるジェイコブ・アッペルバウム(Jacob Appelbaum)は、次のように述べている。「人がかつて自由と呼んでいたものは、今ではプライバシーなんだ。そして同時に僕らは今、”プライバシーは死んだ”と言っている。僕が思うに、プライバシーを失った時、人は主体性と自由そのものを失うんだ。だって、考えていることを自由に表現できなくなるだろう?」。色々と示唆的な発言が続くこのドキュメンタリー、最後はスノーデンの彼女が無事にロシアに到着し、一緒に暮らしている遠景で終わる。2015年度アカデミー・ベスト・ドキュメンタリー賞他、多数の映画祭で受賞。日本で劇場公開されたのかどうか、私は確認していないが、英語版のDVDは購入可能である。

 
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