オルセー美術館特別展『黒人モデルたち:ジェリコーからマチスまで』

 パリのオルセー美術館で開催されている特別展、『黒人モデルたち:ジェリコーからマチスまで』(注1)が、世界の美術愛好家たちの注目を集めている。元々はアメリカの大学で美術史を研究していたデニーズ・ミュレル(Denise Murrell)の博士論文が出発点となったこの展示は、「美術史のなかにブラック・アイデンティティが確立される必要がある」…
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『メイフェア族』(1999)第2話:買収・解体・売却を繰り返して財をなした男

 前回に引き続いてアダム・カーティス監督の『メイフェア族』第2話、『闇屋と呼ばれた企業家』(注1)を紹介する。50年代の英国はまだ、産業界で指導的立場にある少数の人間に支配されていた。外国為替引受銀行の重役や産業新聞の社主、キャドバリーのオーナーやロールスロイスの会長、実業家や鉄鋼産業の代表などの資本家がイングランド銀行の重役会に出席し…
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『メイフェア族』(1999)第1話・軍産に群がる人でなし達に関するドキュメンタリー

 『メイフェア族:財界勃興と政治権力衰退の物語』(The Mayfair Set: Four stories about the rise of business and the decline of political power)は戦後、新興投資家の急速な成長にともなって、英国の政界が金融勢力の配下に組み込まれていった過程を描いた4…
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ドキュメンタリー「魔女狩り」(Witch Hunt)英国労働党とシオニズム

 2019 年2月、ドキュメンタリー映画、『魔女狩り』(Witch Hunt、2019)の英国議会における上映が中止に追い込まれた。ジョン・プルマン(Jon Pullman)監督によるこの作品は、労働党員でジェレミー・コービンの支持者であり、人種差別に反対する黒人であり、パレスチナに連帯する左派ユダヤ人でもあり、女性でもある活動家、ジャ…
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ベネズエラの何がどうなっている?

 英国のBBCやガーディアンに記事を提供している米国出身のジャーナリスト、グレッグ・パラスト(Greg Palast)がジミー・ドーア・ショウに登場、ベネズエラ関連情報のA to Zをしゃべっているので、紹介する。US資本やUSメディアのやっていることがどれだけデタラメかについてパラストとドーアが対談するのを聞いていると、怒りながら笑え…
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『ベネズエラ、隠された動機』2017年ドキュメンタリー(追加あり)

 ある日突然、名前を聞いたこともない人物が「私が大統領だ、USAがバックについている」といって政権転覆劇が始まる。ベネズエラで何が起こっているのだろうか。ベネズエラについては、ほとんどのメディアで「独裁政権」と紹介するのが定番だ。私も『革命の内側』というドキュメンタリーに字幕をつける仕事にめぐり合わなければ、石油の出る遠い南米の国、ぐら…
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『ボルクヴァルト倒産の顛末』2019年TVドキュドラマ

 ボルクヴァルトはドイツの地方都市、ブレーメンに拠点をおく自動車メーカーで、その斬新なデザインと思い切った技術革新は戦前から世界中の耳目を集めていた。戦後はドイツ産業復興の波にうまく乗り、フォルクスワーゲンやオペルに次ぐ第3の企業に躍り出るが、わずか数年の栄華を極めた後、1961年に倒産してしまう。一地方資本に何が起こったのか。経営者の…
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『医師ベシューン』抗日戦争を戦う八路軍に命を捧げたカナダ人

 「医師ベシューン」(1990年カナダ映画, “Dr. Bethune: The Making of a Hero”)は、毛沢東の八路軍に従軍して日本の侵略軍と戦ったカナダ人外科医、ノーマン・ベシューン(Henry Norman Bethune, 1890-1939)の実話をもとにしたドラマ映画である。演ずるのはドナルド・サザランド。1…
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『ガン・ホー』(Gun Ho, 1986) ニッサンならぬアッサン自動車の労務管理を描くコメディー

 ニッサンのすったもんだで思い出した映画、『ガン・ホー』(1986年ロン・ハワード監督)を紹介する。アメリカ人から見た日本の労務管理を描いたコメディ映画で、舞台は日米自動車摩擦で工場が閉鎖になってしまった架空の町、ハドリーヴィル。もともと自動車以外に産業はなく、ほとんどの住民が失業状態になって9ヶ月が経とうとしていた。元職工長のハント(…
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アラン・ショアの死刑廃止論『ボストン・リーガル』(その3、連邦最高裁判所)

  前回に引き続き、『ボストン・リーガル』でアラン・ショアが死刑廃止論を披露した3回目のエピソードを取り上げる(シーズンⅣ第17話)。ある日、アランの上司が「君に新しい依頼だ」と声をかけてくる。「8歳の継娘をレイプした事件だ」と説明されて、「それは断る」と即座に答えるアランだったが、上司は「連邦最高裁にかかっている死刑事案なんだ」という…
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アラン・ショアの死刑廃止論『ボストン・リーガル』(その2)

 前回に引き続き法廷ドラマシリーズ、『ボストン・リーガル』で死刑問題が取り上げられたエピソードを紹介する。2006年秋に放映された「Trick or Treat」(シーズンⅢ第7話)は弁護士、ジェリー・エスピンソン(クリスチャン・クレメンソン)が死刑反対論者であるために苦しむストーリーだ。ジェリーは善人がほとんど登場しないこのシリーズで…
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アラン・ショアの死刑廃止論『ボストン・リーガル』(2004-2008米国TVドラマ)

 前回、背景音楽に批判的なことを書いたので、今回は優れた背景音楽のおかげで出会ったドラマについて書いておく。米国のTVドラマ、『ボストン・リーガル』(“Boston Legal”、2004-2008年、脚本デビッド・E・ケリー)だ。筆者はこのシリーズをまったく知らなかったのだが、偶然耳にした斬新なテーマ音楽が気になり、当時滞在していたド…
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映画音楽という曲者――ドキュメンタリーにおけるその功罪について (序論)

 ドキュメンタリーに背景音楽を使いすぎることに対する批判をいつかまとめておかなくてはならないと、ずいぶん以前から思っていた。背景音楽はドキュメンタリーをドラマ化してしまうからだ。「ドキュメンタリーはウソをつく」というとき、証言者群の選択と質問による誘導、カメラによるトリックや恣意的な資料選びとならんで、背景音楽による演出も「騙し」の立派…
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刑期を終えた元性犯罪者を地域は受け入れられるか。『Little Children』の重い問いかけ

 ずい分前に見た映画の一シーンがあまりにも衝撃的で心に残っていたが、その題名を思い出せないでいた。最近、偶然に作品のタイトルがわかったので、とりあえず書いている。問題の場面はこうだ。若い頃に小児性愛で有罪になり、長いこと刑に服していた男が出所して地元に帰ってくるが、地域住民はその話題を避けている。ある日、家族連れでにぎわう市民プールで群…
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私の好きな幽霊:イヴァン・カラマーゾフの場合

 『カラマーゾフの兄弟』は世界各国で何度も映画化されていて、ロシア語版・ドイツ語版・テレビドラマ化などそれぞれに面白い。今回はその中からイヴァンに現れる悪霊シーンの描き方に特化し、1968年ソヴィエト連邦版を紹介する。まあ、夏なのでお化けのお話だ。私がこの映画に最初に出会ったのは遥か以前、父親に連れられて行った地方の公民館である。映画そ…
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『メディチ一族:ルネッサンスの領袖』(2004)歴史ドキュメンタリー

 イタリア・ルネッサンス期の芸術家や思想家が、フィレンツェという小都市で驚くべき業績を成し遂げることができたのは、ひとえにメディチ家の絶大な援助と庇護があったからである。この一族は覇権争いに明け暮れながら富をたくわえ、教皇の座にまでのぼりつめ、いっぽうでは芸術の新しい流れに惜しげもなく資金を注ぎ込んだ。恩恵にあずかったのはボッチチェッリ…
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【論文紹介】『インターネット時代における欧州極右の台頭』:極右出版”アークトス”の場合

 2018 年2月以降、ネット上に投稿された論文、『インターネット時代における欧州極右の台頭』は、ヨーロッパにおける極右出版とその最新事情について批判的に論考したものである。出典や参考文献を駆使し、ネット上および出版界における過去のイデオロギーとの連結やカルトの影響、ヨーロッパ新右翼およびアメリカのオルタナ右翼(alt-right)との…
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小説『ベルリンに一人死す』の5度目の映画化『ヒトラーへの285枚の葉書』はドイツでちょっと不評

Hans Fallada ハンス・ファラダ(1893-1947)は、弾圧の時代にドイツに留まった数少ない著述家のひとりである。そのためにいろいろな制限を受け、妥協を余技なくされた。戦争が終結するころには精神的にもズタズタになり、1946年に小説『ベルリンに一人死す』を精神病院で脱稿した直後に他界している。(原題は”Jeder stirb…
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亡命作家の半生『シュテファン・ツヴァイク、さらばヨーロッパ(黎明を見ながら)』

 オーストリア出身のユダヤ人作家、ツヴァイクの亡命生活を描いたドラマ映画、『シュテファン・ツヴァイク、さらばヨーロッパ』(2016年作品。”Vor der Morgenroete/Stefan Zweig / Farewell to Europe”、ドイツ語原題は『朝焼けを前に』あるいは『黎明を見ながら』)はなかなか見ごたえのある佳作だ…
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『オッパーマン家の人々』、1933年ベルリンをリアルタイムで再現した小説の映画化

 原作の『オッパーマン家の人々』(”Die Geschwister Oppermann”、直訳は「オッパーマン兄弟姉妹」1933年作)は、伝記小説『ゴヤ』で知られるユダヤ系作家、リオン・フォイヒトヴァンガーの初期作品群、『待合室三部作』の第二作目にあたる。内容は1932年11月からヒトラーの首相就任をはさむわずか数ヶ月間に、ベルリン在住…
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ドキュメンタリー『解放記念日』、北朝鮮で演奏した欧州初のロックバンド

 『解放記念日』(Liberation Day、2016年)は、スロベニアのロックバンド、ライバッハ(Laibach)が平壌で初めてハードロックを披露した2015年の解放記念日を記録したドキュメンタリー。もともと物議をかもしていたロック・バンドがきちんと外交手段を駆使し、平壌の人々と交流する過程がカメラにおさめられていて見ごたえがあるの…
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『さらばバルセロナ』(2014年ドキュメンタリー)ツーリズムが地域を破壊する

 バルセロナは人口160万に満たない小さな都市である(面積は横須賀市ぐらい)。だが急速に増え続ける観光客が、地域住民の生活に著しい不都合をまねいている。この現象をわかりやすく言えば、「20人座れるレストランに300人来ないでくれ!」、ということだ。エドワルド・チバス・フェルナンデス監督はドキュメンタリー、“Bye Bye Barcelo…
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★推薦ドキュメンタリー★『ヒトラーの子どもたち』(2011年イスラエル・ドイツ合作)

「なぜ僕が生きてるんだ? この罪と重荷を背負って、それと折り合いをつけるため? それが僕の存在する唯一の理由なんだと思う」。ライナー・ヘスはアウシュビッツの指揮官、ルドルフ・ヘスの孫である。ナチス犯罪人の子孫にとって、過去は常に現在であり、未来は永遠に罪と共にあるのだろうか。ドキュメンタリー映画『ヒトラーの子どもたち』(2011年、Hi…
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オペラ映画『蝶々夫人』(1995)

 中国のソプラノ、イン・ファン(黄英、Ying Huang)をプリマドンナに迎え、配役のほとんどを東洋系のオペラ歌手でそろえたオペラ映画、『蝶々夫人』(1995)はなかなか見ごたえのある秀作だ。オペラは大昔からの伝統芸能なので、ジャコモ・プッチーニの蝶々夫人もなんだか古臭い女性観がただよっているが、そこは西洋歌舞伎だと思って我慢すれば、…
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【臨時紹介】『三十二』中国で生きる元従軍慰安婦の静かなドキュメンタリー

 中国でかつて娘とともに日本軍に誘拐され、従軍慰安婦にされた韦绍兰(Wei Shaolan)さんが、戦後すぐに生まれた息子とともに暮らす家を訪れ、インタビューしたドキュメンタリー。映画製作時、タイトルは生存する元従軍慰安婦の数である『32』だった。だが映画が完成し、公開する時には22人になってい…
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ドイツ映画『8月の霧』ナチスに暗殺された少年エアンスト・ロッサの物語

 非常につらい映画を観てしまった。『8月の霧』(Nebel im August, 2016年、カイ・ヴェッセル監督)はナチスの安楽死計画によって命を絶たれた少年少女の物語で、実際にバイエルン州イルゼー修道院内の精神病院で行なわれた連続殺人を題材にしている。実在した少年エアンスト・ロッサ(Ernst Lossa、1929-1944)を演ず…
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アダム・トゥーズ『破壊の報酬:ナチ経済の形成と崩壊』

 アダム・トゥーズが2006年に上梓した歴史書、『破壊の報酬:ナチ経済の形成と崩壊』(注1)は、ナチスの台頭から第三帝国の終焉までをヒトラーの政策とその経済効果に焦点をあてながら詳細に分析し、一気に学界内外の注目を集めた力作である。ヴェルサイユ条約後のドイツでヒトラーはどのような情勢分析をし、いかなる思惑からその経済政策を推し進め、実際…
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闘う障がい者、1980年前後

 バニラエアで起こったひどい障がい者差別事件におどろいている。上に掲載したのは今から40年近く以前に、青い芝の会をはじめとする車イスの面々が当時の厚生省ロビーに集合し、抗議している写真である。撮影したのは私。正確な年月日は不明だが80年か、あるいはその前後2年ぐらいのものだろう。ネガは家のどこに仕舞い込んでしまったのやら、紙焼きも数枚し…
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阿部知二1960年米国TVインタヴュー、「岸しか首相に選べなくて残念だ」

 小説家で英文学の翻訳紹介者でもあった阿部知二。アメリカTVニュース番組のアンカーが60年安保で揺れる日本に取材し、彼にインタヴューした画像がU.S.ナショナル・アーカイブに残っている。  阿部知二は戦中には戦争賛美をしていたそうだが、戦後は平和主義者になる。このインタヴューでは、日本の再軍備がほんの15年前まで侵略戦争に深く関与…
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BBC『チャールズ3世』エリザベス女王後を描く近未来スキャンダルドラマ。テレビでここまでやるか・・・

 最近BBCで放映された『チャールズ3世』は、エリザベス女王後を描く近未来スキャンダルドラマ。もともとは2014年に上演された舞台劇で、当時からその過激なプロットが話題になっていた。こんなドラマをBBCが平気で放映してしまう英国は、その立憲君主制も表現の自由も日本とはかなり違った様相を呈している。いきなり女王の葬儀から始まる問題作の筋を…
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『ケイブル通りの闘い』1936年ロンドンのカウンター・ファシズム

 1936年10月4日、ロンドン東部のケイブル・ストリートでファシストと市民との大規模な衝突があった。『Hidden London: The Real Battle of Cable Street』(39分)は、事件の背景や経緯を残っているニュースフィルムと、当事者の証言や学者の分析などから再現した短編ドキュメンタリーだ。  事件…
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『故郷』(HEIMAT・1919-1982・ドイツ)深く考えずに生きる群像ドラマ

 『故郷』(Heimat - Eine deutsche Chronik)はドイツのテレビ用ドラマ3部作の第1部として制作され、11話連作(925分)で1984年から放映された。第一次世界大戦の戦後処理からナチスの台頭、戦後の回復までの時代をシャッバッハ(Schabbach)という架空の農村の群像ドラマとして描いており、非常に高い視聴率…
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クレムペラー著『第三帝国の言語』民衆を操るナチスの言い回し

 LTI(Lingua Tertii Imperii=第三帝国の言語)とは、ドイツの言語学者ヴィクトール・クレムペラー(1881-1960)の造語で、ナチス・ドイツで頻繁に使われた言語表現を指す。当時ドレスデンの大学教授であったクレムペラーは、ユダヤ系であったため職を奪われ、友にも裏切られ、絶望のふちにあった。そんな彼を精神的にささえた…
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戦争画家は厭戦の夢を見るか?(続・藤田嗣治批判)

 上の絵画は小早川秋聲の代表作、「國之楯」(1944年作151.0×208.0cm、『芸術新潮』1995年8月号より)である。彼は決して反戦画家ではなく、満州事変当時から中国や東南アジアを渡り歩いて戦争画を描き、従軍画家としての地位を藤田嗣治と分かち合ってきた人物でもあった。だがこの作品で、小早川は日本の戦死者を描いてしまった。もっぱら…
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喜々として戦争画を描き続けた大芸術家、藤田嗣治

 私が藤田嗣治の戦争画に出会ったのは、もう30年以上も前のことだと思う。都内のこぎれいな美術館で開催された戦争画展で、いろいろな画家の作品が展示されたのだが、その中で藤田の油絵はやはり抜きん出ていた。おどろおどろしく、物語性の強い作品群である。ベビーパウダーを使った絵の具で女性の肌を乳白色に描く繊細な画家、というイメージとは全く相容れな…
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ファスビンダー監督『ベルリン・アレクサンダー広場』(1980)

 著名な映画監督が手がけた評価の非常に高い作品をけなすのは、気がひける。だがやはり批判的な評価をしておこうと思う。原作はアルフレート・デーブリンがワイマール時代のベルリンを描いた小説、『ベルリン・アレクサンダー広場』で2回映画化されている。1931年作品(フィル・ユッツィ監督)のほうは、主人公フランツ・ビーバーコップフの内面に触れること…
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『ロマ&シンティ交響楽団』ドキュメンタリー放映中

 世界中に二つとないオーケストラ、“ロマ&シンティ・フィルハーモニク“。すべての団員がシンティとロマであり、プロフェッショナルな訓練を受けた演奏家集団なのだ。彼らはしばしば差別され、 因習と闘い、排除されたり無視されたりしてきた。DW(ドイッツェ・ヴェレ)の最新ドキュメンタリーがその素顔に迫る。  ロマの演奏家たちは言う、「音楽は…
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『デトクラシー あるいは債務主義』(Debtocracy) ギリシア、つくられた債務国(字幕日本語)

 『デトクラシー あるいは債務主義』(Debtocracy)は、2010年以降のギリシア経済危機に取材し、その債務がどのように膨れあがり、IMFや世界銀行の救済策にどのような問題点があったかを白日のもとにさらすドキュメンタリー。監督はアリス・ハチステファーノで、2011年制作。  2009年10月に誕生したパパンドレウ政権は、旧政…
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【お知らせ】ドキュメンタリー『パール・ハーバー』ドイツZDFで放映中

 今年は米日のトップが、パフォーマンスでそれぞれ広島と真珠湾を訪問した。オバマ大統領は平和記念資料館に数分しか滞在しなかったし、安倍総理大臣は詫びる気もないのに奇襲攻撃の跡地を訪れる厚顔無恥ぶりだが、それをダシにしてドイツのメディアが長編ドキュメンタリーを放映してくれるのは、ありがたい。  ZDFのドキュメンタリー『パール・ハーバ…
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「国旗をかかげて武器を売る」(Flying the Flag, 1994)、英国兵器産業の話

 ジョン・ピルジャー監督の『国旗をかかげて武器を売る』(Flying the Flag, Arming the World, 1994)は、英国兵器産業の勃興とそれに関わってきた企業や政治家を取材したドキュメンタリー。最近、武器輸出に手を染め始めた日本企業の倫理を考えるにあたって、大いに参考になる作品だ。  70年代に入って、かつ…
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『引き込み線』(Das zweite Gleis)1962年東ドイツ映画

 『引き込み線』(Das zweite Gleis、ハンス=ヨアヒム・クナート監督)は、戦後分割された東ドイツで働くごく普通の人々が、忌まわしい過去を隠そうとするがやはり隠し切れない、という人間の業を静かに描いたドラマである。この映画が旧東ドイツで制作されたのは1962年、日本では浦山桐郎が『キューポラのある街』を完成させている。 …
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『輝ける一瞬』ジョージ・マクガヴァンが大統領選に勝っていたら・・・

 1972年の大統領選で民主党の候補としてリチャード・ニクソンと闘ったジョージ・マクガヴァン(1922-2012)は、ベトナム戦争に反対し続けた政治家であり、市民運動の支持者であり、謙虚な歴史学者でもあった。スティーブン・ヴィットリア監督のドキュメンタリー、『輝ける一瞬』(”One Bright Shining Moment”, 200…
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『月面一番乗り』(2005)究極のモキュメンタリー

 「実は第二次世界大戦以前の1938年、すでにソヴィエトの宇宙飛行士、イヴァン・ハルラーモフが人類史上初めて月面に到着していたが、何らかの理由で極秘扱いとなった」。これはまっ赤なウソである。この作り話にさらに詳細な尾ひれをつけ、ドキュメンタリーの手法で仕上げた映画が『月面一番乗り』(First on the moon)だ。監督はロシアの…
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『忘れまじ』第一次大戦における良心的兵役拒否者たちの記録

 『忘れまじ』(Not Forgotten)は風刺作家であるイアン・ヒズロップをプレゼンテーターに招き、第一次世界大戦が英国に与えた影響を検証したドキュメンタリー・シリーズ。英国チャンネル4で2005年から2009年にわたって7作が放映された。今回はその中で6作目にあたる『戦おうとしなかった男たち』(2008年)を紹介する。  第…
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『イラク・バーゲンセール!』戦争に群がる請負企業群の話(Iraq for Sale)

 イラク戦争は数十億ドルにのぼる巨大産業であり、それが米国人の税金で賄われた。その規模は、イラクで二番目に大きい部隊の実態が民間警備会社で、他国のどんな軍隊よりも大きかったことからも推測できる。『イラク・バーゲンセール!』(Iraq for Sale)は、イラク戦争に群がる民間企業群とその相関図を白日のもとにさらした2006年のドキュメ…
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『どうしました、シモンさん?』公民権運動を生きたシンガーの記録

 深い味わいのある歌声と確かなピアノ技術を持ちながら、決して幸福でなかったニーナ・シモン(1933-2003)の生涯を扱ったドキュメンタリーがリズ・ガーバス監督の『どうしました、シモンさん?』("What Happened, Miss Simone?", 2015)だ。シンガーとして公民権運動の前面に立った彼女は、ラングストン・ヒューズ…
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『否定』(DENIAL)・ホロコースト否定論者と闘った歴史学者、リップシュタッツ。

 ホロコースト否定論者のデビッド・アーヴィングと闘った歴史学者、デボラ・リップシュタッツについてのドラマ映画が制作されるというニュースを、このブログで一年以上前に取り上げた。その映画、『Denial』がこの秋、いよいよ公開される。当時主演予定だったヒラリー・スワンクは降板し、レイチェル・ワイズがリップシュタッツを演じる。『ナイロビの蜂』…
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障害と疾病の歴史――11世紀から今日まで(英国)

 今回は映画から少しはなれた話題になった。以下に紹介するのは英国で障害者や病者がどのように生き、社会にとけ込んできたかの歴史を検証し、記録するウェブサイト(Historic England : A History of Disability: from 1050 to the Present Day) である。 https://h…
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優生思想とドイツ女子青年団

 『ナチスドイツの女性たち』("Women in Nazi Germany", 別名"Hitler's Brides":ケイト・ヘイスト監督)は、2001年に英国チャンネル4で放映されたドキュメンタリー。ヒトラーの熱烈な支持者の大半が女性だったことは、これまであまり焦点をあてられてこなかった問題だ。これをテーマに番組では無名の一般女性た…
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『Reg』(レジ:2016年BBC)イラク戦争の罪を問うTVドラマ

「もし人が国を裏切ったら、反逆者として投獄されるわね。だけど、もし国が人を裏切ったら、何ができる? 答えは投票を使って、彼らを落選させることよね。私の息子や同様の目にあった男たちのために」。反戦無所属候補として2005年の英国総選挙に出馬し、トニー・ブレアの戦争犯罪を激しく非難したレジナルド・キーズの妻の言葉である。  レジナル…
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