ヨハンナ比較文化研究所

アクセスカウンタ

 毎朝読もう、沖縄の新聞! 「沖縄タイムス」 「琉球新報」

zoom RSS 『ガン・ホー』(Gun Ho, 1986) ニッサンならぬアッサン自動車の労務管理を描くコメディー

<<   作成日時 : 2018/11/21 22:48   >>

トラックバック 0 / コメント 0

 ニッサンのすったもんだで思い出した映画、『ガン・ホー』(1986年ロン・ハワード監督)を紹介する。アメリカ人から見た日本の労務管理を描いたコメディ映画で、舞台は日米自動車摩擦で工場が閉鎖になってしまった架空の町、ハドリーヴィル。もともと自動車以外に産業はなく、ほとんどの住民が失業状態になって9ヶ月が経とうとしていた。元職工長のハント(マイケル・キートン)は、街に日本の自動車産業を招致するべく、アッサン自動車(圧惨自動車)を訪れる。冒頭のこの場面からザ・プリテンダーズの歌うタイトル・ソング、 “Don’t get me wrong” が流れ始め、通勤電車や新幹線、カプセルホテルなど、80年代日本のなつかしい風景が映しだされる。これから始まるストーリーでは、日本的経営とそれに従う中間管理職たちがやんわりとからかわれることになるのだが、間の取り方で笑わせる漫才のようなやりとりが多く、思わず吹き出してしまうおかしさがある。

  まず、アッサンの重役会に登場したハントは、表情ひとつ変えない日本の重役たちにとまどい、「英語をわかる方、いらっしゃいますか?」と問う。すると山村聡演ずるCEOが即座に「We all speak English!」と返す。そこでハントは必死に説明する。「うちの街はみんな、自動車工場で働いていました。腕もいい。あなた方が来てくれたら、一所懸命に働きます」。だが重役たちの表情は相変わらず能面のようである。ハントは失意のうちに帰国するのだが、その後、意外にもアッサン自動車はハドリーヴィルにやって来て工場を引き受ける。だが条件は厳しい。時給が切下げられたのだ。組合の大会は紛糾するが、ハントは「まずは仕事を獲得することだ」と皆を説得する。

  日本的経営の下、そろいの作業着を与えられ、タイムカードを押すのはいいが、朝の体操に慣れるのが大変。ラインで音楽を聴いたりタバコを吸ったりすると、日本人管理職に叱責される。ノルマが果たせないと無給の残業をやれという。そのたびに現場は大混乱になる。問題は目標の生産台数に達しないと時給が据置きであること、温かみのない管理職が社長の甥にあたるからといばっていること、家族よりノルマを優先させる日本的慣習を強制することなどだ。無理がたたって労災も出る。だが悪いことばかりでもない。野球をしたり、飲んで愚痴を言い合ったりすることで、親交も少しずつ深まってゆく。そして厳しい品質管理にもなじんでくる。すったもんだのあげく、CEOはとうとう工場の継続を認め、ハッピーエンドになる。現実では非常に深刻だった80年代の自動車摩擦を米日友好ムードでしめくくったのは、興行的な事情もあるだろうが、娯楽映画としてはまあよろしいのではないか。


ガン・ホー [DVD]
パラマウント ホーム エンタテインメント ジャパン
2008-09-26

amazon.co.jpで買う
Amazonアソシエイト


テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

『ガン・ホー』(Gun Ho, 1986) ニッサンならぬアッサン自動車の労務管理を描くコメディー ヨハンナ比較文化研究所/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる